楽器が響く音程と音色





バイオリンなどの弦楽器は、

音程をきれいにとるのが

結構難しい楽器です。



なので、

初めて習う方は

まずは弾くことに慣れるまで、



よく使う音のところに

テープをはって

弾きやすいようにしています。



そして、

個人差ありますが、

2冊目か3冊目の本で

相談しながら、

一本ずつテープを外し、



隣の弦と合わせながら

音をハーモニーで聞いて

合わせられるように

していきます。



それにも慣れてきたら、

手の形もだいたい

決まってきているので、



今度は、

さらに精度をあげられるように、



楽器が共鳴する音程を

意識して取れるように

していきます。



弦楽器は弦が数本あり、

音程が合うと

押さえていない他の弦が

響き合って

共鳴音が鳴ります。



バイオリンより

ビオラのほうが

弦が長く楽器の胴も大きいせいか

よく鳴ります。



なりにくい音もあるのですが、

最大に楽器がなってくれる音程、

勝手に響いてくれる音程を

意識しながら弾いていくと、



楽器全体が

すごくよく響き合い、



弦楽器ならではの

振動と共鳴を

楽しむことができます。



重音になると、

よく合っていると、



ビーっというような共鳴音が

音程そのもの以外に

聴こえてきます。



もちろん

右手の弓も

いい鳴らし方をすれば、

の話ですが。



音程がよい人というのは、

音の高さそのもの以外に、



こういう共鳴する音を

聞いているので、



合っているかどうかを

判断する材料が

増えているわけです。



できるだけ

楽器が鳴ってくれる音を

イメージして取っていく。



共鳴する音を

ねらって弾いていく。



これを

合奏でもみんながやれば、

他の楽器とも響き合い、



美しいハーモニーや

音色になるはずです。



そこに

音楽のイメージや感性、

感情なども加わり、



その曲らしい音色が

できていきます。



楽器は道具。

これをいかに

きれいに鳴らすかは、



弾く人の意識に

何があるかが大事です。



ただ弦をはじいても、

弦に弓を乗せて引っ張るだけでも

音自体は出ますが、



音楽的に鳴らせるかどうかは、

奏者が何を知っていて

どう弾くことができるか、

というところに

あります。