曲を弾くつもりで基礎練習をする




どの楽器にも

色々な基礎練習がありますが、



目的はほぼ

同じだと思うのですね。



指が出したい音に

きれいな運動でいけるためとか、



いい音色を出せるためとか。



では

音階を何度も

ひけばよいのかというと、



それでは足らないなと

思うことがほとんどなんです。



音階はある程度

限られた運動しかしません。



バイオリンの場合は、

単音の音階と

数種類の重音の音階がありますが、



充分にそれらを弾けるような

頭と体の状態を作ってから

音階練習に入ると



とても弾きやすくなっています。



ピアノだと

ある程度弾いていた方は

ハノンという基礎練習を

弾かされていた(笑)

と思いますが、



ハノンでは

音階の下準備のような

様々な運動をやりながら、



いろんな運動に対応できる

頭と体の状態を作っていきます。



最近ピアノを弾いていて、

やっぱり音階だけでは

頭と指が充分整ったとは

言えないと感じ、



ハノンを買い直して

ざっと弾いてみました。



普段あまり使わないような

運指とか指使い、



逆によく使われる大事な

運動が沢山盛り込まれていて、



子供のころは苦行に近いと

思いながら、

仕方なく弾いていましたが、



今、上達を考えたときに、



基本的な運動ができていないとか、

音の組合わせや

よく使われる運動が

頭に入っていないために、



曲が弾きにくいとか

手がすぐにいかないとかが

自分で分かってきたので、



やり直してみたいと

思ったのでした。



結局は、

曲を弾くテクニックというのは、



そういう基本の型の

使いまわしや

アレンジなんですね。



押さえておくポイントを

外したまま曲を弾いても、



弾けるようになかなかならない、

分かってないで書いてある音を

弾いているだけで、



理解も進まず、

しくみも分からずなはずだわと

思えたのでした。



ビオラもバイオリンも

同じです。



小学生のときのクラスの先生が、

よく



当たり前のことを

当たり前にやれと


言っていらっしゃいましたが、



それって結構難しい。



当たり前ってわかるけど

面倒くさいとか

気づけていなかったとか。



本当はできた方がよいことに

気づかせてくれるのも

基礎練習。



1ヶ月、

バイオリンの修理中に、

 


ビオラともう一つのバイオリンを

丁寧に音程を取るとか

丁寧に響く音を出すとか

やってきましたが、



ようやく今になって、

いい加減にやっていたところとか、

ちゃんと聴いていなかったとかに

気づいて、



きれいに練習すると

楽器がよく響くし、

弾いていて気持ちがよいと

思うようになりました。



音程をきれいに取るとか

きれいな音を出すとか



わりと当たり前なんですが、



もっと精度を高めようと

自分が思ってやったときに、



当たり前にやれていないところに

気づけて直してこられました。



慣れてくると

通り過ぎるだけにも

なりがちなのも基礎練習。



いいことだけを

残していくつもりで

やっていきたいと思います。



やっと慣れてきたので、

今日からは

もともと練習していた曲に

戻ってみましたが、



しばらく弾いていなかったにも

関わらず、



結構手がいくし、

音をそんなに外さないで

取れていました。



丁寧な基礎練習の

おかげだと思います。



大事なのは、

基礎練習を基礎練習で

終わらせないこと。



いつも曲で

応用するつもりで練習すると、



モチベーションアップしながら

やれます。



どんな曲でも弾けるための

ベース作りだと思ったら、



曲で使うつもりで

どこも練習できます。



逆に

曲のように弾けるような

基礎練習にしていきます。



そこまでいくのは

やっぱり日々の

積み重ね。



やればやっただけ

自分がよくなったのが

わかるので、



それも励みになります。



なんでも弾けるように

なりたいし、



80歳になっても

名人芸的なパガニーニなんかを

弾けるおばあちゃんになれたら

カッコいいし楽しい。



そのへんをめざして

まだまだ頭も体も動くので

精進中です。